元田農園の現在(2010.8時点)の取り組み


自然栽培を追求していき、どうしても解決しない事には先に進めない事象があります。

いわゆる「肥毒」

肥毒とはたとえば慣行農法などにおいて使い続けた肥料農薬による
土の中に出来た残留物質の塊であったり、石灰などによる物理的な硬化症状であります。

その肥毒は単純なものではなさそうで、慣行では層を成してみたり
有機では散在状態であったりします。

その肥毒があると、自然栽培においては自然の循環を阻害され
上手く土の力を引き出すことができず、生産物が出来ないということになります。

その肥毒を解消する方法はないものかと随分前から考えてきました。


自然農法において、肥毒の解消には麦大豆とうもろこしエンバクなどの力を借りて
解消するようにしています。
私も今までこの方法に則り、時間をかけて肥毒解消に臨んでいます。

しかし
この方法ではあまりに時間がかかりすぎるために、営農には向いていないと判断し
同時に新たな方法を見つけだすことに力を入れてきました。


そこで私が聞いていた自然農において、土自身、そして微生物に言及していないことに気がつき
そこにカギがあるのではないかと思ったのです。

土はその実態があまり知られていません。
どうやって土が出来てきたかの部分はあいまいなままであったのです。

その実態を突き詰めて、土とは何か?の答えを見つけました。

誰にでも再現性のある方法でなくては意味がありませんが、
たどり着いたのは誰にでも出来る、しかも自分の手で土を作りだすことが出来るものです。

ひとつ自然界のルールが解明できたと言えます。

自然界のルールから、土と植物の関係を導き出し
土のどの状態が植物にいいのかを調べ、その土を作りだせるかが問題です。

今では農業の技術において必ず持ち出される腐植
それを解明することで土と植物の関係がわかります。

その方策は実は30年以上も前に解明されていたのです。


その方法を用いると、肥毒は簡単に解消できることが解ってきました。

それは何かの性質を持ったものではなく
もともとの土の力を蜂起させるものです。

自然界には人間にとってプラスに働くものとマイナスに働くものが存在します。
うまくバランスが取れているのでしょうが、そのバランスがプラス側に位置すると
いい状態。
土で言えば植物がドンドン育つ環境になっているわけで
目指す土の状態です。

そこに活躍するのは土壌菌群

植物と土と土壌菌群の関係こそが目指すものだったのです。


その関係を解明し、いい状態の土にする。
プラスの状態でバランスし、それを維持させることです。

これに今までの自然栽培を組み合わせることで
特殊な自然栽培から誰にでも簡単に再現できる自然栽培に変わります。


今までの自然栽培では移行期間も自然栽培と言ってきたものが
はっきり移行期間のものと完全な自然栽培とに分けることが出来ます

土を作るための時間が短くて済むので、取り組みやすく
判断基準も作り上げることが出来るのです。


ここまで解ってきた以上、私には迷いはありません。
理論から実際の圃場での結果を出していくことにしたのです。

しかしながら、今までの自然栽培の基準からすると
この方法は外れるとの判断らしく、受け入れが出来ない。

今までの流通との絡みで以前のままでの生産方法と
新しい生産方法に分けて対応していかねばなりません。
理解いただけないのなら、理解いただけるまで待つしかない。
そこに新しいことを進める苦悩があります。

わかってしまえば難しくは無いのですが
最初は理解しがたく、反感や疑念を持たれるだろうと
一部の人に協力をお願いして進めてきたのですが
事象が目に見えにくいということから
完成させるのに時間がかかると思いました。

そこでセミナー時にその説明をし、やってみたいと思われる人に協力を依頼することにしました。
そこからいろんな事象でのまとめをし、ひとつの理論として組み立てていこうと考えているところです。

目的は人の食べるものとして絶対の信頼を頂くことです。
食べ物でしか体を作り維持することが出来ない人は
その食べ物にこそ注意を払う必要があります。

その食べ物が信用できないものではいけません。

純粋にそこを考え追いかけていくのが
元田農園とその仲間たちの仕事です。